「泡銭」ってなんと読む?「あわせん」ではありませんよ!
明日・7月12日は『International Cava Day (国際CAVAデー)』です。
お酒がお好きな方はご存じかと思いますが、『CAVA(カバ)』は、スペイン産のスパークリングワインで、フランスのシャンパーニュ方式と同じ、伝統的な瓶内二次発酵で作られる事で知られています。
良く冷やしたCAVAは、夏にふさわしい飲み物…ということで、スペインでバケーション期間となる7月中旬の12日が、記念日に選ばれたようです。
シャンパーニュと同じ製法の本格的かつ繊細な味わいを持ちながら、価格はお手頃な『CAVA』、夏の食卓のお供にも良さそうです。
スパークリングワインは「泡」とも呼ばれますので、本日は「泡」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「泡沫」ってなんと読む?
「泡沫」という日本語の、「ほうまつ」以外の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「水面に浮いてる泡。」「はかなく消えやすいもののたとえ。」を意味します。「ほうまつ」という読み方よりポピュラーな言葉です。
<使用例>
「若いころにした恋愛は、泡沫の夢のごとく、ロマンスを重視していたわ。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 泡沫(うたかた)です。
「うたかた」=はかないもの、というイメージは知っていたけれど、「泡沫(うたかた)」という漢字表記は知らなかった…という方も多そうです。
「うたかた」という言葉の意味には諸説あり、「ウクタマカタ(浮玉形)」の転であるとか、「ウツカタ(空方)」の転であるとか、さまざまな仮説が出ていますが、正しい歴史は立証されていません。しかし、「うたかた」という言葉が日本古来から「はかないもの」を表現していた、という理解は、和歌などからも明白です。
そこで、漢語として渡来した「はかない泡」を表現した言葉「泡沫」の和訳、及び熟字訓として「泡沫(うたかた)」と読まれることになったようです。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「泡銭」ってなんと読む?
「泡銭」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「正当な労働によらずに得た金。悪銭。」という意味の言葉です。
<使用例>
「実は今日、ギャンブルで当てた泡銭を持ってるから、私がごちそうするわね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 泡銭(あぶくぜに)です。
「泡銭(あぶくぜに)」の、「正当な労働によらず得た金。」という意味は筆者も心得ておりましたが、今回改めて扱ってみると、どの辞書にも、加えて「不正な方法で得た金」や「悪銭」というニュアンスが書かれており、ちょっと驚きました。
「泡銭(あぶくぜに)」は「ラッキーで手に入ったお金」という意味だけではなく「悪いお金」でもある…。真面目な気質の、昔の日本人らしい考え方かもしれませんね。
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本日は、7月12日『International Cava Day (国際CAVAデー)』のトリビアと、「泡」という字の入った日本語から、
・泡沫(うたかた/ほうまつ)
・泡銭(あぶくぜに)
などの読み方、背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/D.O.CAVAウェブサイト
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱